セラミックスの特長と特性
セラミックスは金属やプラスチックよりも、さまざまな元素の組み合わせが可能な材料であるため、多種多様な特性を持たせることができます。
硬さや強さといった特性のほか、急激な温度変化でも割れない、電気を通さずに金属のように熱を伝える、薬品に強いなど、素材のよってさまざまな特性があります。
その特性は主に、機械的特性、熱的特性、電気的特性、化学的特性に分類されます。
素材 | 特長 | 機械的特性 | 熱的特性 | 電気的特性 | 化学的特性 |
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アルミナ(Al2O3) | 最も広く利用されているセラミックスです。硬度、剛性、耐摩耗性、耐プラズマ性、耐熱性、電気絶縁性が高く、熱膨張率が小さい。液晶・有機EL・半導体製造装置、電池・電子関連、各種工作機械・精密機器など、あらゆる分野で採用されています。 | 硬度 剛性 耐摩耗性 |
耐熱性 低熱膨張性 |
電気絶縁性 | 耐食性 耐プラズマ性 |
チタン酸アルミニウム(Al2TiO5) | 耐熱衝撃性に優れるため、温度変化に強く1200℃からの水冷にも耐えうる素材です。1000℃超での連続使用も可能な素材です。 | 熱衝撃抵抗性 超低熱膨張 |
高熱絶縁性 | 耐薬品性 | |
ジルコニア(ZrO2) | ファインセラミックスの中でも強度と靭性をもったセラミックスです。一般的な工法では実現困難な複雑形状品の製作検討も行いますのでご相談ください。 | 機械的強度 高破壊靭性 耐摩耗性 高強度 |
低熱伝導性 高断熱性 |
耐食性 耐薬品性 |
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ムライト(Al6O13Si2) | 熱衝撃性、耐熱性、耐食性が高いセラミックスです。 | 低熱膨張率 高耐熱性 |
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炭化ケイ素(SiC) | 非常に硬いセラミックスです。 高温域(1000℃以上)での機械強度の低下が小さく、耐摩耗性・耐食性の高い材料です。 | 高温機械強度 耐摩耗性 比剛性高 |
高熱伝導性 | 耐食性 | |
窒化ケイ素(Si3N4) | 耐熱衝撃性に優れ、高温下でも高い強度を有するセラミックスです。小さい熱膨張係数、高い靭性、優れた耐摩耗性も特長としております。当社は、窒化ケイ素の分野で世界トップクラスの製造技術を持つドイツのFCT社と提携し、窒化ケイ素製品を供給しています。 | 高温機械強度 耐摩耗性 高靭性 |
耐熱衝撃性 | 電気絶縁性 | 耐食性 |
コージライト | セラミックスの中で最も熱膨張率が低い白色のセラミックスです。 絶縁部品、半導体製造装置部品などに用いられており、大型部品にも対応可能です。 |
軽量 | 低熱膨張率 耐熱衝撃性 |
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窒化ホウ素(BN) | 六方晶窒化ホウ素(h-BN)は不活性雰囲気下では抜群の耐熱性があり、熱衝撃にも強く、高温での絶縁性にも優れています。 溶融金属・溶融ガラスとも反応しにくい材料です。 |
快削性 | 耐高温 | 高温絶縁 | 化学的安定性 |
窒化アルミ(AlN) | 熱伝導率が高く、Siに近い熱膨張係数を持つので、パワー半導体の整流基盤としてよく利用されます。 | 低熱膨張 高熱伝導 高耐熱衝撃性 |
良好な耐薬品性 | ||
マシナブル | 一般的なセラミックスに比べて機械的強度は劣りますが、快削性の良い素材の為、加工コストは安価になり、納期も短くなります。 | 精密機械加工性 短納期対応 快削性 |
断熱性 耐熱性 |
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サイアロン | 窒化ケイ素をベースに合成したセラミックスで、チッ化珪素よりも耐熱性、高温環境下での機械的強度、耐熱衝撃性、耐摩耗性に優れています。 | 高剛性 機械的強度 耐摩耗性 |
低熱膨張性 耐熱衝撃性 |
耐食性 | |
ジルアル(ZrO2-Al2O3) | ジルコニアにアルミナを均一に分散し強化したもの。 ジルコニアにアルミナを添加し、緻密に焼結させた強化ジルコニアです。従来のジルコニアに比べて、耐機械的強度、破壊靭性が高く、特に耐衝撃部材、耐摩耗部材の用途に向いています。 |
機械的強度 破壊靭性 |
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低誘電損失アルミナ(Al2O3) | アルミナの誘電損失を低く安定化させた材料 | 低誘電損失 低誘電率 低誘電正接 |